ファイル形式 (.lum)

Lumi のネイティブ形式 .lum は、ひとつの閉じたファイルではなく、プロジェクトのディレクトリです。深いレイヤーツリー、大きなキャンバス、マスク、非破壊的なエフェクト、絵全体を複製せずに済むチェックポイント——レイヤーイラストのために設計されています。

この形式の役割は、その作業構造を損なわないことです。プロジェクトを忠実に開き直し、問題が起きたときに中身を調べ、直近のチェックポイントから復元できます。作品を不透明な一塊として扱うことはしません。

あえて分けておく

.lum プロジェクトはフォルダです。レイヤーツリーと画像のプロパティは、読み取り可能な XML に置きます。レイヤーとマスクはそれぞれ独自のピクセルバッファを持ち、内部 ID ではなく作品側の名前が付きます。ベクターパスは通常の SVG です。重いフィルター設定は、画像の隣の専用ファイルに置きます。ICC プロファイルはプロジェクトのルートに一度だけ保存するので、リカバリのスナップショットはコピーせず参照できます。

この分割があるから、残りの仕組みが成り立ちます。変わっていないレイヤーはディスク上にそのまま置けます。壊れたバッファはそれだけで失敗し、ファイル全体を巻き込みません。欠けたレイヤーピクセルは、名前・位置・ブレンド設定は残した空のレイヤーになります。グループの合成が欠けていれば、子要素から作り直します。プロジェクトは、絵がどう組み上がったかの地図のままです。

顔料パレットは Lumi のカラーツールに属したままです。プロジェクトは、その画像にどのパレットが紐づいていたかを覚えられますが、パレットライブラリそのものは .lum の外にあります。

平坦化ではなく、作業状態のまま

ファイルが保存するのは、作業中の絵です。レイヤーはレイヤー、レイヤーグループはレイヤーグループ、マスクはマスクのままです。オフセット、ロック、ブレンドの挙動、フィルタースタックも含みます。非破壊フィルターは、焼き込んだピクセルではなく、操作とパラメータとして保存します。単色だけのレイヤーなら、ピクセルファイルは不要です。

折りたたんだレイヤーグループは、自身を合成した見た目も保持します。グループを閉じたときにキャンバスに現れるのが、その保存済み合成です。絵を見るためだけに中身を組み立て直す必要はありません。表示専用の検査モードはそのキャッシュに入りません。編集のためにマスクやアルファを表示していた状態はメタデータとして復元し、保存したグループへ焼き込みません。

大きなファイルは一部をディスクに残せる

.lum を開いても、すべてのピクセルを読み込む必要はありません。折りたたんだグループの中身はディスク上に残し、グループの保存済み合成をすぐに表示できます。レイヤー、マスク、入れ子のグループがメモリに載るのは、グループを展開したときです。閉じたままのグループは負荷が小さく済みます。

ファイルは、実際に使っていたグループも記録します。現在の選択につながるグループは、展開した状態で開き直せます。それ以外のフォルダは、前回のセッションで開いていたとしても折りたたんだ状態で保存されます。深いファイルを開いた瞬間に、使っていない階層までメモリに読み込まなくて済みます。

だからグループ化は、整理だけでなく性能の選択でもあります。大きな背景、保管した実験、使っていない別案は、閉じたグループに置いておけば、描いているレイヤーと同じメモリを占有しません。保存も同じ規則です。隠れたままのバッファはファイルとしてコピーするかスキップするので、書き出すためだけにメモリへ膨らませ直すことはありません。

変更分だけを書くチェックポイント

ファイル → 保存は作業中のプロジェクトを更新します。増分保存と自動保存はリカバリツリーへ書き込み、書き出すのは変更されたデータだけです。変わったレイヤーバッファであり、画像全体をもう一枚コピーするわけではありません。各チェックポイントにはレイヤーツリーの完全な記述が付くので、その履歴のどの地点でも、変わっていないピクセルを古いチェックポイントから、必要なら作業ファイル自身から補って開けます。

自動保存は同じ仕組みを別キャッシュで使うため、自動保護のためにディスク上のファイルを書き換える必要はありません。最後の完全保存より新しいチェックポイントがある状態でプロジェクトを開くと、Lumi はより新しい作業を黙って捨てるのではなく、提示できます。復元した画像は別の名前で開くので、すぐ保存しても元のファイルを上書きしません。

作業用の形式

.lum は Lumi で絵を続けるための形式です。平坦化や互換性のための形式は、公開、納品、ほかのアプリケーション向けです。プロジェクトは多数のファイルからなるディレクトリなので、持ち運ぶならアーカイブしてください。

作業ファイルはリッチで編集可能なままです。完成した画像や共有する画像は、書き出しによってその構造を離れます。